2002年12月25日(水) 委員長
もひとつクリスマスネタ。
私の保護者は、12月になると呪文のように、
「サンタさんなんていないんだよ」
「あれはおもちゃ屋が金儲けするための作り話なんだよ」
とサンタさんが何者かもわからない幼いころから言い聞かせてくれました。
そのあまりの熱烈さに、
(こどもというものはサンタとかいう奴の存在を信じていて、12月にはうきゃうきゃ喜びだすのがデフォルトなのだな。そんで私んちの場合は、サンタさんはいると信じると保護者はヒジョーに困るのだな)
とまあ、そういう内容のことをぼんやり感じていたのですよ。
プレゼントが買えなくてそんなことを言うのだなあ、とも幼いながらにわかっていましたし。
ところがです。
ところがですよ。
イブの真夜中。幼稚園児の私は叩き起こされたのです。
「起きろ! サンタさんが来たぞ!」
ええっ?
私が寝ぼけ眼で見たものは、
いつもの寝間着姿(ステテコ&ラクダシャツ)で、
秋田名物なまはげのように仁王立ちする保護者。
えええっ!?
「ほらプレゼントだ。サンタさんにありがとうは?」
そういいながら差し出したプレゼントは、
ノートと鉛筆。
いや、わかってます。
ああは言ったけど、やっぱりクリスマスだというのに普通のこどものようにプレゼントをねだらない私を不憫におもい、せめてサンタさんが来たと思わせてやろう、プレゼントも買ってやろうと、考えての行動だってことは。わかってるんです。
そして翌朝、
「ゆうべ、サンタさんは来たかい?」
(なにくわぬ顔で)
「うん、来たよ。プレゼントもらっちゃったー」
(すごく嬉しそうに)
五歳の偽善者。 |